
投稿日:2025.09.30 最終更新日:2025.09.30
60代・70代のゴルフ飛距離はまだ伸びる!年齢のせいにしない「生涯ゴルフ」のための身体づくり

「最近、ドライバーの飛距離が20ヤードも落ちた…」
「若い頃のように体が回らず、フィニッシュがうまく取れない…」
60代、70代になってもゴルフを愛する多くの方が、こうしたパフォーマンスの低下という壁に直面しています。そして、その原因をご自身の「年齢のせい」だと、半ば諦めてしまってはいないでしょうか。
先日、あるゴルフ好きの知人が「もう年だから、飛距離が落ちるのは仕方ないよな」と寂しそうに話していました。あなたも、同じように感じていませんか?
確かに、専門家が語るように、年齢とともに筋力が低下するのは避けられない事実かもしれません。データを見ても60歳代の筋力はピーク時の約70%台まで低下するといわれており、体力の変化を感じるのはごく自然なことです。
しかし、もしそのパフォーマンス低下の本当の理由が、「年齢」や「スイング技術」ではなく、もっと根本的な『身体の使い方』にあったとしたら?
この記事では、年齢を言い訳にせず、80歳になってもゴルフを楽しむための新しい常識を、身体の専門家であるパーソナルトレーナーの視点から具体的にお伝えします。あなたのゴルフ人生を、ここからもう一度、前に進めるためのヒントがここにあります。
- 60代・70代から飛距離が落ちる、本当の身体的な理由
- パフォーマンス低下を招く「身体の使い方」4つの落とし穴
- 自宅で10分から始められる、具体的な飛距離回復トレーニング3選
- 安全にトレーニングを続け、ゴルフ人生を再び楽しむための秘訣

岩田 啓佑
元「NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー)」保有者。会社員時代、仕事での挫折をキッカケにトレーニングを開始。同時にスポーツクラブでの勤務を始め、フィットネスの世界に。 趣味は将棋、ゴルフ、スノーボード、ドラムなどなど
目次
飛距離ダウン、体力切れ…60代・70代ゴルファーに共通する悩み
60代を過ぎると、ゴルフのプレー中にこれまでとは違う変化を感じることが増えてきます。それは決してあなた一人だけの悩みではありません。ここでは、多くのシニアゴルファーが直面する共通の悩みと、つい陥りがちな「年齢のせい」という思い込みについて考えていきましょう。
悩み1:ドライバーもアイアンも「昔のように飛ばない」
「昔は軽く振っても230ヤードは飛んでいたのに、今は必死に振っても200ヤードそこそこ…」 一番顕著なのが、やはり飛距離の低下です。
ドライバーだけでなく、アイアンでも番手ごとの距離感が狂い、「7番アイアンで打ったのに、昔の8番アイアンくらいの飛距離しか出ない」といった経験を持つ方も多いでしょう。
海外のゴルフフォーラムでは、「ゴルファーの飛距離は60歳になるまで年1ヤードずつ落ち、60歳を過ぎてからは年2ヤード以上落ちていく」という分析もあるほど、飛距離ダウンはシニアゴルファーにとって共通の課題なのです。
悩み2:ラウンド後半に崩れる「18ホールもたない体力」
若い頃は、1.5ラウンド回っても平気だったのに、今は18ホールを回りきるだけで精一杯。特にラウンド後半になると足が重くなり、集中力が切れてスコアを崩してしまう…。
プレー後はぐったり疲れて、その疲れが翌日まで残ってしまうのも、シニアゴルファーに共通する悩みです。
悩み3:スムーズに回らない「硬くなった身体」
「バックスイングが浅くなった」「フィニッシュまでしっかり振り切れない」
年齢とともに柔軟性が失われ、肩甲骨や背骨周りの動きが硬くなることで、体をスムーズに捻転させることが難しくなります。
その結果、スイングアークが小さくなり、飛距離をロスしてしまうのです。
悩み4:スイングが安定しない「ふらつく下半身」
スイングの土台となる下半身の筋力が衰えると、インパクトで踏ん張りが効かず、体がふらついてしまうことがあります。
これが手打ちの原因となり、飛距離が出ないだけでなく、思わぬミスショットにもつながります。
日常生活でも「椅子からスッと立ち上がれない」「何もないところでつまずきそうになる」といった経験があれば、それはゴルフのパフォーマンスにも影響しているサインかもしれません。
悩み5:身体だけでなく「年齢のせい」と諦めてしまう
そして、これまで挙げてきた4つの身体的な悩み以上に深刻なのが、「もう歳だから仕方ない」という心のブレーキです。この一言が、「ゴルフをやめる」「スコアを気にしない」といった、少し寂しい選択肢を考えさせてしまうのです。
しかし、本当にこれらの悩みは「年齢」だけが原因なのでしょうか?諦めるのは、まだ早いのかもしれません。身体の使い方を見直すことで、パフォーマンスが向上した例は少なくないのです。
飛距離が落ちる本当の理由は「年齢」ではなく「身体の使い方」の変化だった
練習量は変わらないのに、なぜ飛距離は落ちていくのか。その真犯人は「年齢」という数字そのものではなく、年齢とともに変化する「身体の使い方」にあります。ここでは、あなたのパフォーマンスを低下させている4つの根本原因を解き明かし、ゴルフ人生を再び輝かせるための新しい取り組み方を提案します。
原因1:体幹のブレを生む「インナーマッスル」の衰え
実は、シニアゴルファーにとって重要なのは、力こぶのようなアウターマッスル(表面の大きな筋肉)よりも、体の奥深くにあるインナーマッスル(深層筋)です。
特に、お腹周りをコルセットのように支える腹横筋などの体幹深部の筋肉は、姿勢を維持し、安定したスイングを生み出すために欠かせません。
しかし、インナーマッスルは意識しないと衰えやすいため、知らず知らずのうちに機能が低下。その結果、体幹が不安定になってスイングがブレ、せっかく生み出したパワーをボールに伝えきれなくなってしまうのです。
原因2:捻転差を妨げる「肩甲骨・胸椎」の硬さ
飛距離アップに欠かせないのが、上半身と下半身の「捻転差」です。しかし、デスクワークや運動不足などで肩甲骨や胸椎(背骨の胸の部分)の動きが硬くなると、この捻転差をうまく作れなくなります。
体が硬いまま無理にひねろうとすると、腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因にもなりかねません。
また、肩甲骨が適切に使えないと、スイングの再現性が安定せず、日によってショットがバラつく原因にもなります。若い頃は自然にできていたしなやかな動きができなくなること、これこそが飛距離をロスさせる大きな原因の一つです。
原因3:地面の力を使えない「下半身」の不安定さ
ゴルフスイングのパワーは、地面から生まれます。足で地面をしっかりと踏みしめ、その力を上半身、そしてクラブへと伝えていく。この「地面反力」をうまく使えていないシニアゴルファーは少なくありません。
お尻や太ももなど、下半身の筋力が低下すると、スイングの土台そのものが不安定になります。結果として、インパクトで踏ん張りが効かず、力がボールに伝わらない「飛ばないスイング」になってしまうのです。
原因4:非効率なスイングを招く「アドレス姿勢」の崩れ
猫背気味になったり、骨盤が後ろに傾いて腰が落ちたような姿勢になったりしていませんか?こうした姿勢の崩れも、パフォーマンス低下に直結します。これは、体を支える体幹の力が弱くなっている証拠でもあります。
アドレスの時点で姿勢が崩れていると、スイング軸がブレやすくなり、腕だけの力に頼った非効率な打ち方になってしまいます。これでは飛距離が出ないばかりか、体の一部に負担が集中し、怪我のリスクも高まります。
解決策は「生涯動ける身体」づくりという新発想
これら4つの原因に共通するのは、すべて「トレーニングによって改善できる」という事実です。年齢を理由に諦めるのではなく、ゴルフに必要な「安定性」と「しなやかさ」を両立させた「生涯動ける身体」を取り戻すこと。それこそが、何歳になってもゴルフを楽しむための、最も確実で、希望に満ちた取り組み方なのです。
自宅で10分!60代から始める「生涯ゴルフ」のための身体づくり3選
「生涯動ける身体」と聞くと、難しく感じるかもしれません。しかし、その第一歩は、ご自宅で簡単に、しかも安全に始めることができます。ここでは、ゴルフのパフォーマンスに直結する、「体幹」「柔軟性」「下半身」を鍛える3つの基本的なトレーニングをご紹介します。
1. ブレない軸を作る「腹圧呼吸トレーニング」
スイングのブレを防ぎ、パワーを効率的に伝えるために最も重要なのが、体幹を安定させる「腹圧」です。このお腹の芯が、ブレないスイング軸の土台となり、ヘッドスピードを加速させます。
- 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げ、足を椅子などの上に乗せます。
- 腰と床の隙間を埋めるように、お腹に軽く力を入れます。(腰を反らさないように注意)
- その状態をキープしたまま、風船を全力で膨らませるイメージで、口をすぼめて10秒以上かけてゆっくりと息を吐き切ります。
- 息を吐き切ったら、鼻からゆっくり息を吸います。これを3〜5回繰り返します。
ポイントは、きついと感じるまでやるのではなく、「お腹の奥に力が入る感覚」を掴むことです。
より詳しい腹圧の理論や、ゴルフスイングへの活かし方については、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

ゴルフ向け体幹トレーニング、その常識が間違い?ゴルフの飛距離が変わる「腹圧」と「回旋」の使い方
「ゴルフの飛距離を伸ばしたい」「スイングを安定させたい」という想いから、体幹トレーニングに取り組んでいる方は多いのではないでしょうか。 しかし、よかれと思って続けているそのトレーニング、実はかえってゴルフのパフォーマンスを下げてしまっているのかもしれません。 この記事では、多くのゴルファーが陥り
2. しなやかな捻転を生む「胸椎・肩甲骨ストレッチ」
大きなバックスイングとスムーズな回転には、胸周りの柔軟性が欠かせません。ここがしなやかに動くことで、腰に負担をかけずに、より大きくスムーズな捻転が可能になります。
- 肩の真下に手、股関節の真下に膝がくるように、四つん這いになります。
- 片手を頭の後ろに軽く添えます。
- 息を吐きながら、添えた手の肘を、反対側の腕の下をくぐらせるように体をねじります。
- 次に息を吸いながら、今度はその肘を天井に向かってぐっと持ち上げ、胸を大きく開きます。
- この動きを、左右それぞれ10回ずつ、ゆっくり繰り返します。
ポイントは、腰はなるべく動かさず、「胸から上だけを回す」意識を持つことです。「気持ちよく伸びる範囲で」おこない、痛みを感じる場合は無理をしないでください。
3. 地面のパワーを伝える「下半身・お尻の筋力トレーニング」
ゴルフスイングのパワーの源は、地面を蹴る下半身の力です。地面をしっかり踏みしめ、その力を上半身に伝えるための土台が、お尻や太ももの筋肉です。
- 安定した椅子の前に、足を肩幅程度に開いて立ちます。つま先は少しだけ外側に向けましょう。
- 両手は胸の前で組むか、前に伸ばしてバランスをとります。
- 息を吸いながら、お尻を後ろに引くようにして、ゆっくりと椅子に座る寸前まで腰を下ろします。(膝がつま先より前に出ないように注意)
- 息を吐きながら、ゆっくりと立ち上がります。これを10回前後繰り返します。
ポイントは、回数よりも「お尻や太ももの裏側に効いている感覚」を重視すること。このトレーニングにより、スイングの土台が安定し、飛距離アップと腰痛予防につながります。
60代からの身体づくりで失敗しないための3つの鉄則
ご紹介したトレーニングを、ぜひ試していただきたいのですが、一つだけお約束してください。それは「絶対に無理をしない」ことです。特に60代からの身体づくりは、若い頃と同じ感覚ではいけません。ここでは、安全に、そして楽しくトレーニングを続けるための大切なポイントを3つご紹介します。
鉄則1:痛みは「即中断」のサインと心得る
トレーニング中に少しでも痛みや違和感を感じたら、それは身体からの「休みましょう」という警告サインです。すぐに運動を中断する勇気を持ちましょう。「これくらい大丈夫」という油断が、数週間の安静を必要とするような大きな怪我につながることもあります。
特に、筋肉が疲れてくる「筋肉痛」と、関節がきしむような「痛み」は全くの別物です。後者の場合は、決して我慢しないでください。
鉄則2:回数や時間よりも「質」と「継続」を重視する
たくさんの回数をこなすことよりも、1回1回の動作を、正しいフォームで、狙った筋肉を意識しながらおこなうことの方が何倍も重要です。フォームが崩れてしまうくらいなら、5回でも十分な効果があります。
また、毎日やる必要はありません。「1日おき」「週に2〜3回」など、ご自身が心地よく続けられるペースを見つけることが成功の秘訣です。「頑張らないこと」が、結果的に一番長く続けるコツになります。
鉄則3:焦らず、自分の身体の変化を楽しむ
トレーニングの効果は、すぐには現れません。身体の変化には時間がかかることを理解し、焦らず、長期的な視点を持つことが大切です。「今日は昨日より少し深く曲げられたかな?」といった、ご自身の身体の小さな変化や感覚に耳を傾けるプロセスそのものを楽しみましょう。
トレーニングは自分を追い込むものではなく、10年後もゴルフを楽しむための、未来の自分への投資であり、自分の身体を労わる時間なのです。
【年代別】ゴルフのパフォーマンスを最大化する身体づくり
この記事では60代・70代のゴルファーに焦点を当てましたが、ゴルフの悩みや必要なアプローチは年代ごとに少しずつ異なります。
仕事もゴルフも、まだまだ現役。飛距離の維持と、これから先のゴルフ人生を見据えた怪我予防に関心のある40代・50代の方は、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
40代・50代の方へ: 仕事もゴルフも、まだまだ現役。飛距離の維持と、これから先のゴルフ人生を見据えた怪我予防に関心のある方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

【パーソナルトレーナー解説】ゴルフ 40代・50代の飛距離がレッスンだけでは伸びない理由|自宅でできる筋トレも
最近、若い同僚や後輩にオーバードライブされ、悔しい思いをしていませんか。 「ベストスコアを更新したい」という気持ちとは裏腹に、年齢とともに飛距離が落ちてきたと感じている方も少なくないでしょう。 しかし、年齢を言い訳に諦めるのはまだ早いです。 40代・50代の身体に合った「正しい体の使い方」を学び、
より安全・確実に成果を出したいならパーソナルトレーニングという方法も
ご自宅でのトレーニングは、身体を変えるための素晴らしい第一歩です。さらに一歩進んで、より安全に、そして確実にゴルフを楽しめる身体を手に入れたいとお考えなら、専門家によるパーソナルトレーニングも有効な方法です。
専門家が「あなたに合った負荷」を常に見極めてくれる
60代・70代のトレーニングで最も重要なのは「無理をしないこと」です。
しかし、自分一人では「どのくらいの負荷が適切なのか」を判断するのは難しいもの。 マルトレではRPE(自覚的運動強度)という指標を使い、「あと3回くらいできそう」という感覚を大切に、決して限界まで追い込まないトレーニングを設計します。
専門家がその日のあなたの体調や体力レベルを正確に見極め、常に最適なトレーニング強度に調整することで、怪我のリスクを最小限に抑え、安全にトレーニングを継続できるのです。
自己流の癖をなくし「正しいフォーム」が身につく
マルトレのトレーニングは、スクワットなどの基本4種目のみ。シンプルだからこそ、フォームが重要です。良かれと思ってやっていた自己流の運動が、実は効果が薄いばかりか、かえって体を痛める原因になっていた、というケースは少なくありません。専門家がマンツーマンで指導することで、効果を100%引き出すための正しいフォームが身につき、それが一生の財産になります。
「ゴルフの動き」を熟知した専門家による指導を受けられる
一般的なフィットネスジムと異なり、マルトレにはゴルフの身体の使い方を深く理解したトレーナーが在籍しています。
「飛距離をあと20ヤード伸ばしたい」「ラウンド後半でも崩れない安定性が欲しい」といったあなたの目標に対し、ゴルフに特化した、あなただけの最適なトレーニングプランを提案します。実際に多くの方が成果を出し、「継続率90%以上」という実績にもつながっています。
まとめ:「年齢は数字、身体は正直」もう一度ゴルフが上達する喜びを
この記事を通して、60代・70代のゴルフのパフォーマンス低下は、「年齢」ではなく「身体の使い方」に原因があること、そしてそれはトレーニングによって改善できる、という希望をお伝えしてきました。
- パフォーマンス低下の真犯人: インナーマッスルの衰え、柔軟性の低下、下半身の不安定さ、姿勢の崩れ。
- 自宅でできる解決策: 「腹圧呼吸」「胸椎・肩甲骨ストレッチ」「椅子スクワット」。
- 続けるための鉄則: 無理せず、質を重視し、自分のペースで楽しむこと。
あなたのゴルフ人生は、まだまだこれからです。
「生涯動ける身体」を手に入れれば、年齢に関係なくゴルフを楽しみ、もう一度「上達する喜び」を味わうことができます。その可能性を、どうか信じてください。
まずは、今日ご紹介した自宅トレーニングから、ご自身の身体と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
そして、もし「一人では不安だ」「専門家のサポートを一度試してみたい」と感じたら、ぜひ一度、マルトレの体験レッスンにお越しください。
まずは2,000円(税込)の体験レッスンで、あなたの身体の『伸びしろ』をプロの視点から見つけてみませんか?
約45分間で、丁寧なカウンセリングであなたの目標や不安をお伺いし、InBody(体組成計)で身体の状態を客観的にチェック。その上で、あなたに合った簡単なトレーニングを実際に体験していただけます。私たちが全力で、あなたの「まだまだこれから」をサポートします。