
投稿日:2025.09.30 最終更新日:2025.09.30
【パーソナルトレーナー解説】練習やゴルフレッスンだけじゃない、ゴルフであともう少し飛ばせる身体づくり

「あと少し前へ。平均飛距離を底上げしたい…」
「芯で当たる確率を上げて、再現性を高たい…」
「あと20ヤード…!」
「練習やレッスンを重ねても、なぜか飛距離が頭打ちになっている…」
こうした悩みは、スイング理論以前に、身体の「運動連鎖」がうまくいっていないサインかもしれません。
この記事では、身体づくりの専門家という視点から、多くのゴルファーが見落としている「飛距離が伸びない身体的な本当の原因」をひも解き、あなたの本当の課題を見つけるための全体像を解説します。
- なぜレッスンに通っても飛距離が伸び悩むのか、その全体像
- 平均飛距離と再現性の鍵を握る「身体の連動性」とは
- あなたの課題を見つけるための3つのセルフチェック方法
- 見つかった課題を解決するための、より詳しい専門記事へのご案内
これまでとは全く違う視点で、あなたのゴルフが変わるきっかけが、ここにあります。「まだ自分もやれる」という自信をつけ、自己ベストを更新する、会心の一打を手に入れましょう。

岩田 啓佑
元「NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー)」保有者。会社員時代、仕事での挫折をキッカケにトレーニングを開始。同時にスポーツクラブでの勤務を始め、フィットネスの世界に。 趣味は将棋、ゴルフ、スノーボード、ドラムなどなど
目次
なぜ練習やレッスンを重ねても飛距離が伸びない?原因は「身体の使い方」にあった
熱心に練習したり、レッスンで教わった通りに振っているつもりでも飛距離が伸びない…。
その最大の原因は、どんなに素晴らしい理論も、それを活かすための身体がなければ宝の持ち腐れになるからです。
ゴルフのスイングは、下半身から上半身へとうまく力を伝達する「運動連鎖」によって、最大のパワーが生まれます。
なぜあなたの飛距離は伸び悩むのか?主な要因マップ
飛距離が伸びない要因は、大きく分けて「柔軟性」「安定性」「連動性」の3つの要素にまとめられます。
- 柔軟性の不足: 特に「股関節」「胸椎」「肩甲骨」が硬いと、捻転差を十分に作れず、パワーが生まれません。
- 安定性の欠如: 体幹や下半身がブレると、地面からの力を効率よくボールに伝えられず、ミート率も低下します。
- 連動性の不備: 各部位がバラバラに動く「手打ち」状態では、ヘッドスピードが上がらず、再現性も損なわれます。
これらの身体的な課題を解決しないまま練習やレッスンを重ねても、教えられた動きを正しく再現できず、根本的な解決には至らないのです。まずは、ご自身の身体がどのタイプに当てはまるのか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。
あなたはどのタイプ?3つのセルフチェックで原因を探る
ご自身の身体のクセを知ることが、飛距離アップの始まりです。ここでは3つのタイプ別に、自宅でできる簡単なチェック方法を紹介します。
チェック項目 | 身体の課題 | 平均飛距離・再現性への影響 |
---|---|---|
【タイプ1】 片足立ちで10秒キープできるか | 下半身・体幹の不安定さ |
|
【タイプ2】 前屈で指が床につくか | 股関節・もも裏の硬さ |
|
【タイプ3】 背中で両手を組めるか | 肩甲骨・胸椎の硬さ |
|
ご自身のタイプに見当はつきましたか? それぞれのタイプのより詳しい特徴と、具体的なチェック方法を以下で解説します。
セルフチェックは、ご自身の身体の傾向を知るための、とても良いきっかけになります。
しかし、実際には「タイプ1と3の両方に当てはまる」というように、課題が複合的であるケースがほとんどです。
また、肩周りが硬い(タイプ3)原因が、実は下半身の不安定さ(タイプ1)を無意識に補おうとする「代償動作」から来ているなど、原因が別の場所にあることも珍しくありません。
私たちトレーナーは、体全体の動きのつながりに注目し、症状の裏に隠れている本当の原因を見つけ出すことを大切にしています。
【タイプ1】下半身がブレて、地面の力を逃している
下半身が不安定で、スイング中に軸が左右にぶれてしまうのがこのタイプです。地面からの力をうまく受け止められず、せっかく生み出したパワーを失ってしまっています。
<チェック方法> 鏡の前で実際にスイングをしてみてください。トップからダウンスイングにかけて腰や膝が大きく左右に流れる場合、それはスイングの回転運動をお尻や太ももの筋力で支えきれていないサインです。身体を支える力が外側へ逃げ、「スウェイ」という横流れの動きになって現れます。この動きは飛距離が出ないだけでなく、ミスショットの大きな原因にもなります。
【タイプ2】体幹が弱く、捻転のパワーが足りない
身体のエンジンである体幹が弱く、上半身と下半身の捻転差(ねんてんさ)を十分に作れていないタイプです。身体を捻ってパワーを溜め込む動きが小さいため、ヘッドスピードが思うように上がりません。
<チェック方法> 壁にお尻と背中をつけてアドレスの姿勢をとり、下半身を固定した状態で上半身だけを捻ってみましょう。このチェックは、純粋な体幹(特に腹斜筋)の力で上半身をどれだけ捻れるかを測るものです。もし胸が真横(90度)までスムーズに回らなければ、スイングに必要な捻る筋力が不足している可能性が高いでしょう。

ゴルフ向け体幹トレーニング、その常識が間違い?ゴルフの飛距離が変わる「腹圧」と「回旋」の使い方
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【タイプ3】上半身が硬く、腕の振りが窮屈になっている
肩甲骨や胸周りの柔軟性が低く、腕やクラブをしなやかに使えないタイプです。腕力に頼った「手打ち」になりやすく、クラブヘッドの遠心力をうまく活かせていません。
<チェック方法> 「タイプ2」と同じチェックの姿勢から、腕の力を抜いて身体を回してみましょう。この動きで肩や背中に強い突っ張りを感じるのは、腕の可動域を支える肩甲骨や、身体の回転を生む胸椎が硬くなっているサインです。その硬さが、しなやかな腕の振りを妨げている原因かもしれません。
平均飛距離と再現性を上げるには?専門家が教える3つの解決策
セルフチェックで見えた課題に対し、3つの解決策があります。
これらのアプローチは、いずれもスイングの土台となる「運動連鎖」を正常化させ、ミート率や再現性の向上につながります。
解決策1:股関節の柔軟性を高め、ブレない回転軸をつくる
股関節まわりをほぐし安定させると、スイング中の不要な左右への動き(スウェイ)が減り、地面からの力を逃さずボールに伝えられるようになります。
専門家も「飛距離を出す鍵は大きく体を揺さぶる体重移動ではなく、その場で軸を安定させた回転運動だ」といっています。下半身を安定させて体をひねる動きを身につければ、安定感とパワー伝達が一気に向上します。
解決策2:胸椎の可動域を広げ、しなやかで力強い捻転を生む
腰ではなく背中(胸椎)からしっかり回旋できるようになると、バックスイングで十分な捻転差(ねんてんさ)が生まれ、ダウンスイングで腕が自然と走り出します。
つまり、肩と腰のねじれ幅が増すことで、筋力に頼らずヘッドスピードが向上するのです。胸椎がスムーズに動けばスイングアークも大きくなり、腕の力みが抜けて結果的に飛距離アップ+ケガ予防にもつながります。
解決策3:肩甲骨の可動域を広げ、スムーズな腕振りができるようになる
腕の力みは、肩甲骨周りの硬さが原因であることが多いです。肩甲骨がスムーズに動くようになると、腕がしなり、遠心力を最大限に活かしたスイングが可能になります。
腕力に頼らず、クラブヘッドを自然に「走らせる」感覚が身につくため、ミート率と飛距離が同時に向上します。
課題別トレーニングの考え方と専門記事のご紹介
ここでは、ご自身の課題を解決するために、どのようなトレーニングに取り組むべきかの「考え方」と、より詳しいトレーニング方法を解説した専門記事をご紹介します。
【股関節・下半身に課題があった方へ】
股関節は、下半身のパワーを上半身に伝えるための重要なパーツです。硬くなりがちな股関節周りの柔軟性を高め、ブレない軸で回転する感覚を養うことが、飛距離アップの土台となります。
特にアイアンショットでは、体重移動よりもその場での回転運動が重要になるため、下半身の安定は飛距離と方向性を決める生命線です。
▼下半身の安定性を高め、アイアンの飛距離を伸ばす具体的なトレーニングはこちらの記事で詳しく解説しています。

アイアンの飛距離を伸ばす筋トレ|身体の専門家が教える3つの部位
練習場でスイングを何度も見直しているのに、アイアンの飛距離だけが思うように伸びない。 そんなもどかしい経験はありませんか。 実はその原因、スイング技術ではなく、あなたの「身体」そのものが効率的な使い方を忘れてしまっていることにあるのかもしれません。 結論からいうと、飛距離アップの鍵は、筋力よりも「
【体幹・捻転に課題があった方へ】
胸椎(背骨の胸の部分)の柔軟性は、上半身と下半身の「捻転差」を生み出すために不可欠です。
しかし、多くのゴルファーが良いと思って続けている腹筋運動などが、かえってこの捻転を妨げ、スイングを固くしているケースも少なくありません。
ゴルフの飛距離は「腹圧」と「回旋」で決まります。ただ鍛えるのではなく、ゴルフの動きに直結する正しい体幹の使い方を学ぶことが重要です。
▼やってはいけないNGトレーニング例と、本当にゴルフに効く体幹の使い方はこちらの専門記事で詳しく解説しています。

ゴルフ向け体幹トレーニング、その常識が間違い?ゴルフの飛距離が変わる「腹圧」と「回旋」の使い方
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【上半身の硬さに課題があった方へ】
腕の力が抜けず、いわゆる「手打ち」になってしまう原因の多くは、肩甲骨周りの硬さにあります。
肩甲骨がスムーズに動くようになると、腕がしなり、クラブヘッドの遠心力を最大限に活かせるようになります。
腕力に頼らず、クラブをスムーズにコントロールし、しなやかな腕の振りを手に入れることで、ミート率も飛距離も向上します。
▼しなやかな腕の振りを実現するための上半身のストレッチは、こちらの記事でも詳しく解説しています。

アイアンの飛距離を伸ばす筋トレ|身体の専門家が教える3つの部位
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自己流の注意点と、効率よく結果につなげる方法
ここまで身体の使い方の重要性やトレーニングの方向性を解説しましたが、良かれと思って始めた自己流トレーニングが、実は逆効果になっているケースも珍しくありません。
よくある課題:フォームの誤りと不適切なメニュー選択
トレーニングは、フォームが少しずれるだけで効果が大きく変わったり、全く別の筋肉に効いてしまったりするほど、動きは繊細です。
そのため自己流の場合、「効いているつもり」でも本来の効果を得られていないこともあります。
さらに、自分に合っていないメニューを選んで遠回りしている可能性もあります。
例えば、本当は柔軟性を高めるべきなのに、筋トレばかりしていた…といった具合です。場合によっては、無理な独習で身体を痛めてしまうリスクもあります。
自己流で熱心にトレーニングをされているのに、なかなか結果に結びつかない方をサポートさせていただく機会が多くあります。
その原因で最も多いのが、ご自身の身体に対する「診断ミス」です。 例えば「捻転不足」を感じている方が、がむしゃらに腹筋を鍛えても、原因が胸椎の硬さにあれば大きな効果は期待できません。
プロによる客観的な評価は、こうした回り道をなくすためにあります。
私たちは単にメニューを提供するだけでなく「なぜ、あなたのスイングにはこのエクササイズが必要なのか」という根拠までしっかりご説明し、納得感を持ってトレーニングに取り組んでいただくことを大切にしています。
飛距離アップの最短ルートは「自分の身体を客観的に知る」ことから
では、どうすれば最短で結果を出せるのか。その答えは、「自分の身体を客観的に知る」ことから始まります。
専門のトレーナーは、最初にあなたの柔軟性・筋力・体のクセを細かく評価し、数あるトレーニングの中から、今のあなたに最も必要で、一番効果のあるメニューを処方してくれます。自己流で遠回りすることなく、最短ルートで目標達成を目指せるのが、プロの指導を受ける最大のメリットです。
岐阜県大垣市のマルトレで、あなたの身体の「本当の課題」と向き合いませんか?
マルトレでは、パーソナルトレーナーが柔軟性・筋力・動作の評価を行い、目的に合わせたトレーニングをご提案します。ゴルフ専門ジムではありませんが、ゴルフの動作に精通したトレーナーが、あなたの身体の連動性から評価・指導。
ゴルフの動作に求められる下半身の安定、体幹の活用、肩甲骨の操作を軸に、地面反力の活用と再現性の向上を目指します。
「練習量を増やしているのに、なぜか上達が止まってしまった」「自己流のトレーニングに限界を感じている」そんな大垣市・西濃・岐阜県エリアのゴルファーにこそ、私たちのトレーニングを体験していただきたいと考えています。
“あと少し”の壁を越えるために、今すぐ始めるべきこと
この記事では、多くのゴルファーが誤解しがちな「飛距離が伸びない原因」と、ゴルフパフォーマンスを本当に向上させるための正しい身体との向き合い方の全体像について解説してきました。
- 飛距離が伸びない根本原因は、スイングではなく身体の「連動性」の欠如にある。
- 「股関節」「胸椎」「肩甲骨」の機能性が飛距離アップに直結する。
- 自己流トレーニングは逆効果のリスクもあり、最短ルートは専門家による身体の評価から。
もし、思うように飛距離が伸びず「もう限界かな」と諦めかけているなら、それは非常にもったいないことです。
私たちマルトレの専門家が、あなたの身体のクセや課題を見抜き、無理なく続けられるあなたに合ったトレーニングプランを提案します。まずは気軽に体験レッスンで、ご自身の可能性を確かめてみませんか?